【はちみつマイスター監修】犬にはちみつをあげても大丈夫?

最近お客様から問い合わせが多くなった、犬にはちみつを食べさせても大丈夫ですか?というお問合せ。ペットブームで愛犬を私たち人間と同じように扱う傾向は悪いことではないけど知っておいてほしいことなどを解説します。

犬がはちみつを食べるメリット|疲労回復と病気の予防、アンチエイジング

目次

はちみつに含まれる栄養素のなかで、特に犬の健康維持に役立つと考えられるものを紹介します。

ブドウ糖・果糖|多彩な糖類で消化吸収力でエネルギー補給

第一にはちみつの約80%は糖質です。「ブドウ糖」「果糖」で70%以上、その他「オリゴ糖」「ショ糖」といった糖類が含まれています。なかでも主成分である「ブドウ糖」と「果糖」は単糖類というこれ以上分解する必要がない糖類なので、犬の体内に入ると胃腸に負担をかけずに、速やかにエネルギーに変換されます。犬にはちみつを与えれば、素早い消化吸収でエネルギー補給に期待できます。

ミネラル|さまざまな働きの相互作用で健康をサポート

第二にはちみつには、鉄分、マグネシウム、カリウムなど多種類のミネラルが微量ずつ含まれています。ミネラルはさまざまな種類の相互作用によって血液や筋肉、骨などをつくったり、神経の伝達をスムーズにしたりして、健康な体づくりに役立ちます。

グルコン酸|殺菌作用と保湿効果、腸内環境の改善効果も

第三にこれも微量ですがはちみつには、殺菌作用や皮膚を保護する保湿効果があるグルコン酸も含まれています。
さらに、グルコン酸には腸内の善玉菌であるビフィズス菌を増やす働きがあるともいわれているので、毛艶をよくする美容効果に加え、便秘の解消効果なども期待できそうです。

ハイシニア期|介護期の栄養補給に

糖質は、消化器官に負担なく素早くエネルギーとして利用できます。食欲低下時には少量であっても栄養補給に役立つものです。食事から栄養が摂取できず低血糖になる場合や、てんかん発作のような症状があり発作のリスクを減らすため早めに糖質を摂取させたい場合にはちみつは役立ちます。シニア犬のはオススメします。

薬膳(食欲不振、空咳、疲労、皮膚の乾燥時など)

糖質は水分を保持するのに役立つ働きがありますので、薬膳の効能で書かれるような喉や肺、皮膚の水分が気になるときに使われるようです。第3類医薬品として販売されている「日本薬局方 ハチミツ」の効果効能にも口唇の亀裂・あれが記載されています。外用として塗ると良いということですね。また薬膳では大腸が気になるときにも使われるのですが、はちみつには腸内環境の健康維持に役立つオリゴ糖が含まれるという点で現在の栄養学からもおすすめできます。

犬がはちみつを食べるデメリット|ボツリヌス菌中毒や高カロリーに要注意

メリットを紹介したので今度はダメな理由を解説します。

ボツリヌス菌|ボツリヌス菌中毒

そもそも自然界には土壌などボツリヌス菌というものが存在します。野菜やお肉などにも存在する菌です。はちみつは加熱加工などしない食品なのでボツリヌス菌が入っていることがあります。

腸内環境が出来上がっている状態の成犬や老犬は問題ないのですが、生まれたての乳児犬はまだ腸内環境が完成していないことがありますので、はちみつを食べささないでください。免疫力が低い子犬、毒素を排出しにくい腎不全の犬には感染のリスクが高いので、はちみつを与えないようにしましょう。

高カロリー|膵炎や糖尿病の犬は要注意

そもそもはちみつは糖分が多くカロリーの高い食品です。甘いものを好む犬は多いので、喜んではちみつを舐めたがるかもしれませんが、膵炎や糖尿病のある犬は病気を悪化させてしまう可能性があるので、はちみつは与えないでください。

アレルギー|皮膚の赤みや痒みなどアレルギー症状

はちみつは、ミツバチが花や樹木から採取した蜜を加工したものです。ミツバチが花に触れたときに蜜と一緒に花粉を拾ってきて、それが直接的にアレルギーの原因とは断定できませんが、はちみつを食べたあとに目や口の周りが赤くなっていたり、体を痒そうに壁などに擦り付けていたりしたら、アレルギーの可能性が考えられます。掻きむしると耳や皮膚に炎症を起こしてしまうので、すぐにはちみつを与えるのをやめて獣医師の診察を受けましょう。

はちみつの加工品は与えて大丈夫?

さらにはちみつが入っているいろんな商品は食べて大丈夫なんでしょうか?基本人間用に作っていますので食べささないでください。代表的なものを紹介します。

はちみつ梅干し

梅を漬ける際に少量のはちみつを加えて、まろやかに食べやすく仕上げた梅干し。普通の梅干しもはちみつ梅干しも、量と塩分に気をつければ犬に与えても問題ありません。ただし、商品によって塩分とはちみつの含有量は異なりますので、塩分、糖分ともに摂り過ぎないよう商品の成分表をよくチェックしましょう。

はちみつレモン

レモンの皮に含まれるソラレンという成分によって、嘔吐、下痢、皮膚炎や気分の落ち込みといった症状を起こす可能性があります。ソラレンは加熱によって減少するという説もありますが、念のため犬には避けておいた方が安心です。

はちみつ入りパン・クッキー

ペットショップで売られている犬用のはちみつ入りのクッキーやボーロは、健康な成犬であれば与えても大丈夫です。人間向けのはちみつ入りクッキーは、犬用のおやつと比べて砂糖や脂肪が多く含まれていることが多く、太りやすくなることもあるので与えない方が安心です。また、犬用の手作りクッキーのレシピにはちみつが書かれていることもあります。はちみつを入れないとクッキーが作れないということはないので、心配な場合は除いて作っても良いでしょう。

おすすめのレシピ

ヨーグルト(無糖)との組み合わせ

ヨーグルトを食べ慣れている犬には、混ぜて与えるとお腹の健康のためにおすすめのコンビネーションです。

柑橘系の果物との組み合わせ

みかんやグレープフルーツの酸味をはちみつの甘みが緩和してくれます。柑橘系の果物はビタミンCが摂取できるだけでなく、犬にとっても気分のリフレッシュに役立ちますし、有機酸は胃腸の働きを応援(活性化)するのにも役立ちます。

食べさせ方

ヨーグルトも柑橘系の果物(みかんやグレープフルーツは薄皮を除いて与えましょう)も大量に与えるものではありません。体形や後述のはちみつの給与量を参考にして合わせてください。

犬にはちみつを与えるときの注意ポイント|与えるはちみつの種類と量に気をつけて

食べてもよいはちみつ種類?

どのようなはちみつも、先述の注意点を理解したうえで、適量であれば犬に与えても大丈夫です。

マヌカハニーは犬に与えて大丈夫?

健康志向の高まりのなかで注目を集めている「マヌカハニー」です。ニュージーランドに自生するマヌカの花から採取されたはちみつで、強力な殺菌・消毒作用が認められています。

そんなマヌカハニー、適量を守れば犬に与えても問題ありません。ただし、人にとっての健康効果は認められているものの、まだ犬に同様の効果が期待できるかは明らかになっていません。

はちみつを摂取する目安量|体重別給与量の目安(1日量)

犬の体重目安 1日あたりの接種可能目安
小型(2~5kg) 6g~11g(小さじ1~大さじ0.5)
中型(6~15kg) 13g~26g(小さじ2~大さじ1.2)
大型(20~50kg) 32g~64g(大さじ1.5~大さじ3)

※数値は、あくまでも参考値です。 ご褒美などで甘みを与えたいときは、ほんのひとなめ(指先に塗れるくらい)程度だと思ってください。

まとめ

結論として犬にはちみつを与えても基本問題ありません。健康的なはちみつですが、与えすぎはNGです。獣医さんの助言なども聞き適切に与えてください。

松治郎の舗がおすすめするはちみつ

大正元年創業のはちみつ屋 松治郎の舗(みせ)がおススメするはちみつは、

クセがなく透明度が高く果糖比率が高いはちみつ。

蜜匠アカシアはちみつとなります。

よくある質問

Q.猫にはちみつは大丈夫?

犬同様特段問題はありませんが、与え過ぎはNGです。

Q.メープルシロップは食べて大丈夫?

はちみつの与え方と同じようにしてください。

Q,犬がはちみつを食べてしまったら?

特段問題ございません。

Q,生はちみつを犬が食べた

はちみつですので問題ありません。