人類最古のお酒!はちみつ酒【ミード】とは|

最近日本でもだんだん聞きなれてきたはちみつの酒「ミード」は蜂蜜が原料で歴史はワインより古く、醸造酒では人類最古と言われいます。。そのままでも美味しいですが、ソーダ割りにしたり、ホットドリンクと混ぜたりするのもおすすめです。飲み方や選び方、歴史などはちみつ酒【ミード】の魅力を解説します。

はちみつ酒ミードとは

はちみつとお水だけで造った醸造酒、【ミード】。蜂蜜を原料とする、ワインなどよりも古く1万年以上前からあったとされる醸造酒の始まりのお酒です。

ヨーロッパを中心とした濃厚なの風味のはちみつを活かしたものや、ハーブやスパイスなどと併せたよりコクのある極甘の伝統的なミードがいわゆる「古典派」。

そして、もう1つが80年代に米国を中心に「醸造ブーム」で実力者たちが本格的に販売しはじめた、スッキリとしたテイストが特徴の「モダン派」。と2派の系統があります。

最近は日本酒の醸造技術を使って、第三の「日本派」も販売させています。

蜂蜜酒ミードの歴史

ワインやビールより古くからあると言われているはちみつ酒の【ミード】。14000年前に人類が初めて巡りあった最古のお酒という説もあります。

クマなどに荒らされてひっくり返った蜂の巣に溜まっている雨水を偶然飲んだ狩人が最初で、古代ギリシャでは神々のお酒(ネクター、アンブロシア)として崇められ、ローマの英雄ジュリアス・シーザーもミードを愛飲したともいわれています。

「ハネムーン」の語源でもある蜂蜜酒ミード

はちみつ酒ミードは、実は「ハネムーン」の語源であるとも言われています。

ハネムーンは英語だとHoneymoon、つまり密月、「蜂蜜の1か月間」という意味です。蜂蜜に強壮作用があり、また蜂の多産にあやかれるということから、古代から中世のヨーロッパで、特に森を愛するゲルマン民族において新婚直後の新婦は住居から外出せずに1ヶ月間蜂蜜酒を造り、新郎に飲ませて子づくりに励む風習があったのだそう。さらに、この期間中にかなりの高い確率で、第一子に男の子が生まれるという伝えも。

こういったことが理由で、ミードはハネムーンという語源があると言われているのです。

はちみつ酒ミードの醸造方法

ワインと作り方が似ている蜂蜜酒ミードの原料は、蜂蜜と水、そして酵母菌だけです。水で2~3倍に薄めた蜂蜜は、だんだんと発酵がはじまり、夏なら1週間、冬なら3週間ほどで出来上がります。

発酵が始まったミードは、炭酸ガスがポコポコと湧き出します。濁りはベントナイトとフィルターで取り除き、後は落ち着くまで澱引き。瓶詰めをして、コルクで蓋をすれば完成です。

蜂蜜酒ミードの度数と味

蜂蜜酒と聞くと「蜂蜜のような甘いお酒」をイメージするかも知れませんが、実際はちょっと違います。そのテイストは、ビールや白ワインに似ていると言われており、国によってもそのテイストは変わってきます。

“ビールのご先祖のようなもの”と称されることもあるなど、ビールとの類似点が多々あるミード。さっぱりとして、ほのかに蜂蜜の風味を感じるようなビールに近い味わいの物も少なくはありません。

また、色味が濃く味わいも濃厚なタイプのミードは、酸味が立った白ワインのような味わいのものもあります。

アルコール度数も銘柄により大きく異なるミードですが、その多くが10%前後の仕上がりになっているようです。しかしながら、5%程度の弱いアルコールのものから70%を超えるとんでもないアルコール度数のものまで、ミードによって様々なので飲む際はチェックする必要があります。

はちみつ酒ミードの美味しい飲み方

「ビールのような味?」「白ワインのような味?」様々な意見があるミード。実際にどのように飲むのが美味しいのか、以下では代表的な飲み方を詳しく紹介していきます。

まずはそのまま飲む

ミード本来の味わいを確かめるためにも、まずはストレートでそのまま飲んでみることをおすすめします。

特に、複数のミードを飲み比べる際は、味の個性を判断するためにもストレートで飲むのがいいでしょう。

甘めではありますが、全体的に濃い目の味わいが特徴のミードですので「少し濃いな」と思ったら氷を入れてロックで楽しむなど、好みによって徐々にスタイルを変えながら飲んでみてください。

ソーダや水で割る

ミードそのものの個性を知るにはストレートやロックが一番ですが、アルコール度数が比較的高いお酒ですので、アルコールが弱い人は水割り・ソーダ割りで楽しんでみてください。

特にソーダ割りがおすすめ!ほんのりとした甘さに、さっぱりとした酸味を感じるため爽やかなハイボールのような形で楽しめますよ!

また、ソーダ割りの際はライムやレモンを入れるのもおすすめ。通常のソーダ割りよりも一層爽快感のある仕上がりになります!

レモネードやジンジャーティーホットミルクを入れる

寒い冬にはミードをホットにして飲むのもおすすめ!日本で言う「養命酒」のような形で、ヨーロッパではミードをホットにして飲むのも一般的なんだそう。

一番スタンダードなのは、お湯割り。そのままお湯で割るのもいいですが、アレンジして飲むのもおすすめ!例えば、シナモンやナツメグといったスパイスを入れたり、すりおろしたショウガをいれてジンジャーティーのようにするのも美味しいですよ!

その他、ホットミルクを入れてミルク割りにするのも身体が温まって最高!就寝前の寝酒として飲めば、ポカポカの状態でぐっすり寝られるのではないでしょうか。

飲んで健康?蜂蜜酒ミードの力

ミードの原料である蜂蜜には、ビタミンやミネラル、その他多数の身体に良い成分が含まれています。

また、蜂蜜の糖分は果糖・ブドウ糖で構成されており、身体に吸収され、エネルギーをつけるときに最適です。また、果糖にはアルコールの分解を促進してくれる効果もあります。

また、蜂蜜には血液を造るときに必要となる鉄、ビタミンC、ビタミンB群、銅、葉酸が含まれています。鉄は血液の材料になり、ビタミン類や銅は血液を作る働きを促します。

他にもカリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、塩素、ケイ酸、ケイ素、硫黄、リンなど人体に必要なミネラルのほとんどが含まれており、貧血を改善する効果も見込めます。

健康のためにも飲まれている

歴史的に有名な、英国のエリザベス女王Ⅰ世は、ハーブやスパイスを漬込んで醸造した蜂蜜酒「メセグリン」を愛飲したのだそう。

寝る前の「スプーン1杯のはちみつ」おススメ

ハーブとアルコールで血行がよくなり、身体が温まって熟睡でき体力回復できることから「メセグリン」「薬(メディスン)」の語源にもなっていると言われています。

また、海外では直接火にかけアルコール分を飛ばし、「卵酒」のようにして風邪気味の子供たちにも与えるという民間療法も残っているのだそう。

まとめ

世界最古の醸造酒といわれている【ミード】は、はちみつのお酒です。はちみつと水と酵母だけでできているお酒。ヨーロッパやアメリカでは古くから作られていましたが、日本では最近販売されてきました。また日本酒醸造会社も最近はちみつと日本酒を組み合わせた【ミード】を造り出しました。